家を買った後、住宅ローン以外に支払わなくてならないのが“固定資産税”という税金です。
家や土地など不動産を所有すると毎年課税される固定資産税とは一体どのような税金なのでしょうか?
この記事では、そんな固定資産税について分かりやすく解説したいと思います。これから家の購入を検討している方は必ず覚えておいて下さい。
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固定資産税とは?
「土地」と「建物」に対して支払う税金で、どちらも各市区町村(東京23区は特例で都税となる)が徴収しています。
毎年1月1日時点での所有者に課税されるので、仮に1月2日に家を購入した場合は翌年から課税されます。
家の購入後、登記申請をすることで自動的に自治体へ通知が届くようになっているので特に申告をする必要はありません。
毎年、春頃になると市区町村から納税通知書が送られてきます。
固定資産税はいつ払う?
固定資産税は一括払いか年4回の分割払いが可能で、分割の場合それぞれの納付期限は以下のようになります。
1期分 | 6月30日 |
2期分 | 9月30日 |
3期分 | 12月27日 |
4期分 | 2月28日 |
※納付期限が土日祝日の場合は翌日以降に変わる
納税期限に遅れると延滞金が課されるので、期限内に必ず支払いましょう。
ただし、災害等により自宅・土地が被害を受けた場合は減免されることもありますが、減免額は各自治体によって異なるので事前に確認しておくと良いでしょう。
次に固定資産税の計算方法を知り、実際に建築後の20年間でどれくらいの税金を支払うのか計算してみようと思います。
固定資産税はいくら払う?
前述したとおり、固定資産税は土地と建物の「評価額」に対して課せられる税金です。
評価額、つまり「固定資産評価額」がいくらか?が税額を決めるポイントになります。
固定資産評価額とは、その年 の家の価値(土地・建物)のことを指しますが。例えば以下のような条件だと家の評価額は高くなります。
- 土地が広く、地価が高い
- 建物の延床面積が広い
- 鉄筋住宅である
- 高価な設備(太陽光発電など)を利用している
高価な家であればあるほど固定資産評価額は高くなる、と覚えておくと良いでしょう。
土地の評価額に関してはWeb上に公開されている固定資産税路線価から概算することができますが、ざっくり把握しておく程度で良いでしょう。詳しくは住宅メーカーの担当者に聞き、計算してもらったほうが確実です。
参考サイト
全国地価マップ → 固定資産税路線価へ
固定資産評価額の計算方法
固定資産評価額に一定の税率を掛けたものが「固定資産税の税額」になります。
税率は各自治体によって異なりますが1.4%を標準税率としているケースがほとんどですので、固定資産税は以下のように計算します。
固定資産税の税額
固定資産評価額 × 1.4% = 固定資産税
金額が大きいために1.4%がどれくらいの数字なのか分からないと思いますが、例えば土地・建物の評価額が2,500万円なら1.4%で35万円にもなります。
と思う方も多いでしょう。確かにこの金額を年一括、もしくは4回(87,500円)に分けて支払うのはかなり大きな出費ですよね。
そんな固定資産税には負担調整措置という減税措置があるので安心して下さい。
固定資産税は軽減措置がある
高額な税金のひとつである固定資産税には減税措置があります。
減税措置は、地域によって格差があったものをなるべく均等にさせるため1997年に導入されたのが始まりです。負担水準の高い土地は負担を抑制し、負担水準の低いと土地は徐々に負担を上昇させる仕組みになっています。
軽減を受けるための申告や手続きは必要なく、自宅に届いた納税通知書に記載されている納税額はすでに軽減された金額です。
そんな減税措置を受けるためには“一定の条件”を満たしていなければなりません。
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建物と土地によって条件が違うのでそれぞれ見てみましょう。
建物
認定長期優良住宅 | 新築後7年間 | 固定資産税が1/2に |
3階建て以上の耐火・準耐火構造の住宅 | 新築後5年間 | 固定資産税が1/2に |
上記以外の住宅 | 新築後3年間 | 固定資産税が1/2に |
土地
200㎡までの住宅一戸 | 期限なし | 評価額が1/6に |
200㎡を超えて住宅の床面積の10倍まで | 期限なし | 評価額が1/3に |
一般的な住宅の場合、
- 建物は固定資産税そのものが1/2
- 土地は固定資産評価額が1/6
となるのが減税措置のポイントですね。
では、次に実例を出して税額を算出してみましょう!
新築一戸建て35坪ならいくらになる?
国内における2階建て一戸建住宅の平均坪数は「35坪」とされていますので、こちらを例に金額を計算してみましょう。
例:新築35坪でかかる固定資産税を計算!
自宅の評価額が以下のようなケースを設定して計算してみます。
大きさ | 評価額 | |
建物 | 115.7㎡(35坪) | 1,000万円 |
土地 | 82.64㎡(25坪) | 2,000万円 |
※評価額は購入した金額とは異なります。
計算式
先ほどの計算式「固定資産評価額 × 1.4% = 固定資産税」を使います。
①建物の固定資産税・・・1,000万円 × 1.4% = 14万円
→ 減税措置・・・14万円 × 1/2 = 7万円
②土地の固定資産税・・・2,000万円 × 1.4% = 28万円
→ 減税措置・・・28万円× 1/6 = 4.6万円
7万円 + 4.6万円 = 11.6万円
つまり土地・建物が3,000万円の評価額の場合、支払う固定資産税は11.6万円ということになります。
建物の減税措置は条件によって受けられる期間が異なり、長期優良住宅なら7年間も減税措置が受けられるのもポイントのひとつです。
最近の注文住宅では長期優良住宅にするのが一般的にもなっており、固定資産税以外にも住宅ローン減税なども受けることができるのでオススメです。
坪がよく分からないという方はこちらの記事も参考にしてみてください。
参考サイト
建物の価値は20年でゼロに。土地は地価上昇の影響を受けることも
固定資産税は家の価値(=評価額)が下がれば、税額も少しづつ下がっていくという特徴があります。
家の価値は土地+建物を含めたものですが、建物の価値は20年でほぼゼロになってしまいます。特に木造住宅の場合はその目減りは激しく、建物の価値だけで言えば鉄筋住宅の方が圧倒的に強いと言えるでしょう。
ただし、固定資産税の評価額は3年に一度見直しされます。
これによって都心部など資産価値の高い土地などでは地価が上昇する可能性もあり、その場合は資産価値の上昇によって固定資産税も高くなる可能性があります。逆に過疎化が進むエリアなどは資産価値が下がる可能性もあります。
住宅を購入する時は心のどこかで「万が一の時に売ることも考えて価値ある家を」と思う方も多いようですが、「価値がある=税額が高くなる」ということも知っておいてください。
合わせて課税される「都市計画税」もチェック!
固定資産税と合わせて納税するのが「都市計画税」です。税額はそこまで大きくないですが、固定資産税と同時に納付する税金なので「何この税金?」とならないように覚えておきましょう。
都市計画税は市街化区域内に土地・建物を所有している人が納める税金で、納税者は固定資産税と同一です。
市街化区域とはすでに街となっている区域、もしくは10年以内に市街化を進める区域のことを指しますので、一般的な住宅エリアであるならほとんどがその区域に入ります。
都市計画税は何に使われる?快適で住みよい街づくりのための事業や土地区画整理事業をおこなう費用の一部に役立てられています。都市計画事業には下水道、道路、公園などの都市施設の整備事業や市街地再開発事業などがあり、これらの事業をする上で重要な財源となる目的税です。
税率は0.3%以内の制限税率(市区町村により異なる)となっており、固定資産税ほどの税額にはなりません。
都市計画税
固定資産税評価額 × 最高0.3% = 都市計画税
税率は市町村ごとに異なるので、「○○市 都市計画税 税率」などのキーワードで検索してみると良いでしょう。
都市計画税の減税措置は、住宅用の土地や自治体独自の特例に該当する場合に適用となります。
200㎡までの住宅一戸 | 1/3 |
200㎡を超えて住宅の床面積の10倍まで | 1/3 |
先ほどの35坪の例を再び出して計算してみると以下のようになります。
①建物の固定資産税・・・1,000万円 × 0.3%(上限) = 3万円
②土地の固定資産税・・・2,000万円 × 0.3%(上限) = 6万円
→ 減税措置・・・6万円× 1/3 = 2万円
3万円 + 2万円 = 5万円
このように、固定資産税に比べるとそこまで大きな税額ではありませんが、地域によって税率も異なるので事前に調べておくことをオススメします。
固定資産税の総まとめ
住宅ローン以外に支払わなくてはならない「固定資産税」についてお分かりいただけましたでしょうか?
資金計画をする中でつい忘れがちになってしまうのが税金ですが、固定資産税については住宅メーカーも積極的に話してくれる内容ではありません。
事前にこのような知識を得ておくことで、今後の資金計画をより正確に立てることができるので必ず覚えておきましょう!
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