安全性や居住性に問題がある住宅を「欠陥住宅」と呼びます。
主に耐震性や快適性に問題がある住宅を指す言葉なので、仕上がりが悪かったり傷がついていたりする程度では欠陥住宅といえません。
ですが理想の住宅を期待していた建築主からしたら、どれだけ軽微な不具合であろうとそれは欠陥であり、回避すべき問題です。
家は生涯で最も高いお買い物ですので、欠陥住宅を作ってしまうことだけは何としても避けなければなりません。
注文住宅で起こりうる欠陥について、種類・原因・対処法など詳しく解説します。
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新築で起こりやすい欠陥住宅パターン5選
まずは新築で発生しやすい欠陥を5つ紹介します。
フローリングが床鳴りしている
床を踏んだ際にギシギシといった音がすることを、床鳴りといいます。
そもそも自然素材である木材は、湿度が高ければ水分を吸い込み、乾燥していれば水分を吐き出すという調湿作用があります。
この作用によって木材は収縮・膨張を繰り返します。

木材だし仕方ないと考える方も多いですが、実はこの床鳴りも本来はあってはならない欠陥です。
新築に入居した時点で床鳴りがするというのは立派な欠陥なので、スルーしないように注意しましょう。
床鳴りが最も起きやすいのは床下収納の付近です。
床下収納の周りは、設計上どうしても床の強度が落ちてしまうので、入居後に必ず確認してもらいたい場所です。

床の傾きや建具のガタつきなど家全体の歪み
床が水平でなかったり建具がガタついていたりする場合もあります。
そういった家の歪みは原因がさまざまで、水平については最悪の場合基礎工事から見直さなければいけません。
入居時にビー玉を使って確認してみるのも1つの手です。
居住性に関わる大きな欠陥なので、発見した場合はすぐに対処しましょう。
仕上げ面の傷付き・ひび割れなど施工不良
資材搬入や職人の通行によって、クロス(壁紙)が傷付くことがあります。
下地のボードと同じ乳白色のクロスだと気付きにくく、そのまま引き渡されることもあります。
また足場材を解体した時など、資材をぶつけて外壁のサイディングがひび割れることもあります。
ひとつひとつは軽微なものですが、欠陥であることには変わりないので、そういった施工不良にも注意してください。

防水の不手際による雨漏り
一軒家において、雨漏りは切っても切り離せない問題点です。
雨風の角度や防水シートの巻き込み不足によって、天井や壁に水跡が浮かびます。
雨風の角度ならともかく、屋根の防水シートが問題なら施工における欠陥だといえるでしょう。
また雨漏りかと思いきや壁内結露だったなんてこともあるので、屋内に浸水が見受けられた場合は、すぐに業者に連絡をしてください。
断熱材や釘・金物の不足による施工ミス
慣れた職人は目測や経験則で仕事を行うことが多いです。
その結果として、ボードを止める釘のピッチが飛び過ぎている、入るべき場所に金物が入っていない、断熱材が敷きつめられていないといった欠陥工事が起こります。
枠組み壁(2×4)工法では釘のピッチは強度計算に直接関わる部分ですし、断熱材も住宅をフラット35に適合させるために必要です。
直接的でなくとも大問題になる欠陥なので、十分注意しましょう。

そもそもなぜ欠陥住宅はできるのか?
欠陥住宅ができる原因は、主に以下の3つです。
- 職人の施工ミス
- メーカーと施工会社との不和、連携不足
- 現場監督の確認不足
欠陥の多くは、家を建てる職人の油断や手抜きによるミスが原因です。
施工を依頼したハウスメーカーと工務店の不和によると、住宅の品質が下がることで欠陥を生み出すこともあります。
そして完成後~引き渡しまでの間、現場監督は住宅の最終チェックを行うのですが、その際に確認不足によってクロスの剥がれや、床鳴りを見逃してしまうこともあるのです。
人間が建てているためヒューマンエラーと言えばそこまでですが、建築主側からしたらたまったものではありません。
どれだけその住宅メーカーや工務店が信頼できるか、また欠陥が見つかった場合の対応についても確認しておくと良いでしょう。

欠陥だらけの家を回避するためのポイント
注文住宅に欠陥が生まれることを回避するためのポイントを3つ紹介します。
無理な値引き交渉・横柄な態度に要注意
無理な値引き交渉をすると、施工会社は採算を合わせるために無理な工期短縮、資材削減を行います。
資材削減は直接的に欠陥に繋がりますし、工期短縮は前章で触れたように職人によるミスを誘発させるのです。
また、横柄な態度で打ち合わせを行うと心証が悪くなり、施工会社による品質管理もずさんになりがちです。
それらを避けるためにも、無理な値引きや横柄な態度は控えましょう。
値引きについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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施工中でも見学へ
注文住宅を依頼してそのまま放置・・・ではいけません。
施工が開始してからも定期的に現場へ訪れることも大切です。
人によっては距離的に厳しいかもしれませんが、通えるならなるべく様子を見に行くようにしましょう。
ただし、抜き打ちで行くことだけは避けてください。
緊張感を与えられると思うかもしれませんが、いきなり現場に現れても職人を困らせるだけです。
また作業効率を優先して、どうしても工具や資材などを乱雑に置いている職人も多くいます。
それらは早く作業を終わらせるためにやっており、決して手を抜いているわけではありません。
そういった部分は、見せる側も見せられる側も気分が良くありません。
施工会社(ハウスメーカー、工務店)の担当者に連絡をして、日程調整をした後に見学を行ってください。

欠陥住宅はなるべく未然に防ぐことが大切
内覧・見学の度にスケールや水平器を持ち歩いて色々な場所にあてがうというのは、工事監督にも職人にもよくないプレッシャーを与えます。
特に水平・垂直関係は、仕上げで調整をすることも多々あるため、上棟前では判断できないことも多いのです。
よって、もし確認をするならば、断熱材の入り方や防水シートの巻き込み方など、目視で確認できるところのみをしっかりと確認しましょう。
欠陥は未然に防ぐに越したことはありません。
しかし、現場のプロに対して道具を使って確認するのは、行動として好ましくありませんし失礼に感じる方もいるでしょう。
大工さんとの話し合いの中で、気になっている点を質問しながら疑わしい箇所を解決していくよう心がけましょう。
建築後に欠陥があった場合の対処法
引き渡し後に欠陥を発見した場合の対処法を2つ紹介します。
確証があれば施工会社のアフターサポートを利用する
注文住宅は定期点検などアフターフォローが付いているので、欠陥にはすぐに対応してくれます。
明らかな欠陥が確認できるならば、施工をした会社に連絡をしてアフターサポートを依頼しましょう。

修理・改善にかかる日数は状況と度合いによって異なりますが、日常生活が難しい場合は仮住まいなども提供してもらえます。
入居後すぐは点検回数が多いので、軽度な欠陥であれば「点検時に修理をお願いしたい」と伝えておくのがよいでしょう。
瑕疵が疑わしければ第三者機関の調査を依頼する
瑕疵(かし)とは、重大な欠陥のことを指します。
欠陥が見えないところにある、もしくはなんとなく疑わしいという段階ならば、第三者機関へ住宅検査・住宅診断(ホームインスペクション)の依頼をしましょう。
プロの目線で住宅の瑕疵を診断してくれます。
何も無かったとしても、品質の裏付けやメンテナンス時期の把握ができるので、興味がある方は検討してみてください。
まとめ:比較することが欠陥住宅を防ぐ第一歩
住宅の欠陥を防ぎたければ、まずは多くの工務店・ハウスメーカーの “信頼度” を比較することです。
サポートも手厚く、料金面も安心と判断できる業者なら、トラブルの心配もありませんし値引きで揉めることもありません。
住宅メーカーをどれだけ信頼できるかは、アポイントを取るようになれば必然的に見えてきます。
- メール、電話、打ち合わせでの対応が良い
- 希望プランをしっかり反映した間取りを作ってくれる
- こちらが困るような言動、対応をしない
など、こればかりは実際に行動してみないと分かりません。
多くのプラン・見積もりを比較することが、欠陥を生み出さないための第一歩だといえます。
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