注文住宅の防音対策まとめ!防音室の費用や必要性を状況ごとに解説
快適な住環境を維持するために、防音対策は重要な課題です。住環境の保全や健康被害を防止するための指標を環境省が定めているほど、騒音は人の生活において深刻な問題であるといえます。[注1]
よって住宅の防音対策は、近隣の方の生活を侵害しないために欠かせない重要なことなのです。特に音楽系の趣味がある、もしくは仕事をしている方などは防音対策をしていないと近隣の方に多大な迷惑をかけてしまうかもしれません。
防音室を含めた注文住宅の防音対策について、詳しく解説します。
[注1]環境省|騒音に係る環境基準について
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趣味や仕事で音を出すなら防音室を作るべき?費用は?
シアタールームや音楽室など、自宅における特定の場所から発する音を抑えたい場合は、専用の防音室を設けることが最善です。
費用面の目安ですが・・
防音室を作るには10㎡あたり約200万円の費用が必要です。
施工には吸音パネルや防音ドアといった通常と異なる建材費用が発生したり、音による振動を抑えるために「浮き構造」という特殊な工法を用いたりするためコストがかかるのです。
決して安くはない金額ですが、騒音を出してしまうと、近隣住民から民事訴訟を起こされてしまう危険があります。音を出す可能性がある方は、防音室の施工を前向きに検討しましょう。
音の配慮だけなら遮音性を高めるだけでも有効!
大きな音が出る趣味や仕事があるわけでもなく、ただ「生活音や会話が周囲に聞こえないか心配」ということであれば、防音室でなくとも十分対策が可能です。
そもそも防音対策とは、「吸音性」と「遮音性」の2つの性能を高めることによって実現します。
かんたん解説
- 吸音とは・・・音を吸収することで音の反射を防ぎ、音が室外に透過することを防いだり、音を発している室内における音の反響を抑える方法のこと
- 遮音とは・・・具体的には空気中で伝わってくる音を遮断して、外へ音が透過しないようにする方法のこと
種類 | 壁に反射する音 | 壁を抜ける音 |
吸音性の高い壁 | 小さい | 大きい |
遮音性の高い壁 | 大きい | 小さい |
吸音性が優れた建材を用いることで、壁は音を反射しづらくなります。密閉空間でも音が反響しないので室内の防音に役立つのです。
対して遮音性が優れた建材は、室内に音を反射して閉じ込めるため室外への防音対策ができます。
吸音性と遮音性が優れた建材を組み合わせることで、ある程度の防音対策は可能になります。
遮音性はコンクリートや石膏ボードといった重量感のある建材を使うことで高められるので、興味がある方は注文住宅の打ち合わせにてメーカーに相談してみるとよいでしょう。
近隣住居への防音対策3選
音楽系の仕事をしている、もしくはシアタールームで映画を観るのが趣味であるといった人は防音室を設けるべきです。
ですが、近隣住居との距離が近いなどして、会話や生活音が外に聞こえていないか気になることもあるでしょう。
その際に役立つ防音対策を3つ紹介します。
1. LDKを隣地から離して配置する
LDKは家族団らんの場所であるため、必然的に他の居室に比べて会話数が多くなります。
またテレビもあるため住宅において最も音を出す場所なので、隣地から離して配置することで外部へ向けての騒音対策として有効です。
2. 遮音性の高い建材を使用する
標準的な規格の建材よりも遮音性が高い建材を使用することで、住宅そのものの遮音性を高めることができます。
たとえば窓を引き違い窓でなくすべり出し窓にする、ガラスを複層にするといった対策でも、大きな遮音効果が見込めるでしょう。
また、断熱材もセルロースファイバーという多孔質かつ高密度な素材を使用することで断熱効果を上げることができます。
一般的な断熱材であるグラスウールと比較して密度が3倍ほどなので、注文住宅に用いることで断熱性・遮音性ともに高められるでしょう。
3. コンクリートで家を建てる
基本的に気密性が高く重量があるものほど、遮音性が高いとされています。よって住宅の構造を木よりも重く高気密なコンクリート造にすることで、遮音性の向上が見込めるでしょう。
ただコンクリート造の場合、高気密ゆえにスマホの電波などに支障をきたす可能性もあります。
近隣住民に配慮しすぎて自宅の利便性が無くなる…なんてことのないよう、あくまでひとつの選択肢として覚えておいてください。
二世帯住宅における防音対策4選
二世帯住宅など、同一の家屋内で防音対策を必要とする場合もあります。
とくに女性は旦那さんの親が近距離にいるとなかなかリラックスしづらいですし、さらに音も聞こえているとなると気を遣うことも多いでしょう。
二世帯住宅など、同じ屋根の下に居る者同士で遮音性を高めたい場合の対策方法を4つ紹介します。
1. 完全分離型は界壁の遮音性を高めて居室を離す
二世帯住宅には、以下の3種類があります。
- 完全分離型二世帯住宅
- 完全同居型二世帯住宅
- 一部共有型二世帯住宅
上記のうち完全同居型二世帯住宅は、ひとつの家をシェアして暮らすため、そのなかでの防音対策は難しいでしょう。対策としては、各居室を防音室仕様にするしかありません。
そして完全分離型は共用部分が無く、玄関含め全てが分離しているタイプの二世帯住宅です。
よって同じ敷地内かつ同じ屋根の下でありつつもほぼ他住居ですので、二世帯を隔てる界壁の遮音性を高めることと、寝室やLDKを離して配置することが重要です。
界壁を標準より厚くしたりそこだけ防音室仕様にしたり、LDKや主寝室を界壁から離して設置することで、世帯同士の防音対策となるでしょう。
このように完全分離型二世帯住宅は防音対策がシンプルなのですが、完全同居型・一部共用型に関しては少し違った対策が必要です。
2. 共用部分の気密性を高める
一部共有型の防音対策としてひとつ目に、LDKなどの共用部分の気密性を高めて隣接する部屋への騒音を防ぐことが挙げられます。
共用部分は界壁がなく二世帯が繋がっているため、どうしても隣接している部屋に音が届きやすいです。
余分な隙間を無くしたり、高気密な断熱材を使ったりすることで、共用部分の気密性を高めて騒音を防ぎましょう。
3. 界壁を防音室仕様にする
完全分離型でなくても、界壁を防音室仕様にすることは防音対策として有効です。
また二世帯を跨ぐ共用部分の直下・直上に居室がある場合は、その居室の床と天井も同じように対策するなど、一部共有型の場合は界壁と共用部分の両方の遮音性を高めることが重要なのです。
4. 居室を対角線かつ遠い場所に配置する
二世帯住宅で望ましいのは、界壁を境に反転させたような間取りにすることです。
お互い居室を対角線上の1番遠い位置に置くことで、生活音が聞こえてしまうことを防げます。
ただ採光などの関係もあるので、無理に対角線上にしないよう注意しましょう。
効果的な防音対策は環境によって異なる
注文住宅における防音室や防音対策について解説しましたが、なかには隣地との距離や敷地形状などによって、実践できない防音対策もあります。
極端な話、住居全体を防音室仕様にすれば防音対策は完璧ですが、やはりコスト的に難しいです。
土地や近隣の状況ごとに最適な防音対策をとることが重要ですので、柔軟に提案してくれるメーカーに依頼をすることをおすすめします。
注文住宅の防音室・防音対策にお困りの方は、しっかり比較検討をして依頼先を決めましょう。
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