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注文住宅で人気のSE工法とは?ハウスメーカーの採用状況やメリット・デメリットを全解説!

木造住宅で人気のSE工法は、大空間で開放的な間取りを実現できます。

あまり聞き馴染みのない工法かもしれませんが、大手ハウスメーカーを始め、多くの住宅ビルダーが採用している工法のひとつです。

各社ハウスメーカーは、SE工法という名称ではなく独自の名称で呼ぶため、聞き馴染みがないのかもしれません。

SE工法は、本来省略される各種構造計算や材料強度を確認しているため、強い家を実現し、安心して暮らせる家である証のひとつ。

知れば知るほど魅力が湧いてくると思います。

その一方で、建築費用が高くなるなどのデメリットも存在しています。

注文住宅にSE工法を採用する際は、メリット・デメリットの理解が大切です。

この記事では、そんなSE工法について分かりやすく解説します。各社ハウスメーカーで呼ばれるSE工法の名称も紹介するので、気になるメーカーがある方は本記事で確認してみてください。

※PRを含みます。

 

SE工法とは?

SE工法とは、材料強度の確認と構造計算を行う金物工法の1種です。

SE工法(SE構法)の「SE」はSafety Engineeringの略で、「工学的に安全」という意味です。

建築基準法の四号特例により、多くの木造建築では構造計算を行いませんが、SE工法では構造計算はもちろん、使用する材料の強度もしっかりと確認します。

さらに木材同士の接合に金物を使用することで、従来から問題視されていた仕口部分の強度不足を解消しています。

  • 規模に関わらず構造計算を行う
  • 強度が確認された構造用集成材を使う
  • 金物を使用して接合補強を行う

これら3つが合わさることで、工学的な安全性が証明されているのです。

 

在来軸組工法・枠組壁工法(2×4)との違い

木造建築で主流な工法として、在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の2つがあります。

SE工法は在来軸組工法に、SE工法用金物や集成材を採用した工法です。

木材を使ったこの3つの工法によって、プランニングの自由度や耐力の出し方が異なります。

SE工法在来工法2×4
耐力金物による線(柱や梁)による面(壁)による
自由度大空間が取れる開口を広く取れる規格を変えづらい
費用高い安いSE工法よりは安い

 

SE工法にかかる費用

SE工法の場合、在来軸組工法と比較して坪あたり5万円以上高額になります。

  • SE工法用金物の用意と施工
  • 必ず構造計算を行う
  • 構造計算により基礎や材料サイズが大きくなる

上記によって、在来軸組工法よりも多く費用を要してしまいます。

20坪で+100万円、30坪で+150万円と、延べ床面積に比例して大きな違いが出るので、SE工法で新築を検討している方は覚えておきましょう。

延床面積とは建物の各階の床面積の合計のことです。詳しくはコチラで解説しています。

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SE工法は狭小3階建てで効果的

開放的な大空間が実現できるSE工法ですが、狭小の土地に住宅を建てる際に最大の効果を発揮します。

せっかく広々とした空間にできるのに狭小の土地なんてもったいない・・・と思うかもしれません。

ですが空間を大きく取れる=壁が少ないということなので、小さな建物でも少ない壁で広い間取りを実現出来るのも特徴です。

また、狭小3階建ては縦長の建物を強い強度で支えなくてはならないため、SE工法はまさに効果的な工法と言えます。

 

SE工法で家を建てる3つのメリット

大空間が実現できて自由度が高い

SE工法最大のメリットといえば、上述したように壁が少ない開放的な大空間を安全に実現できることです。

工法のルーツが在来軸組工法であるため、開口を大きく取れるというメリットも兼ね備えています。

在来軸組工法を取り扱う多くのハウスメーカーでは、SE工法をベースとした独自の技術を採用しています。

自由度が高いSE工法を採用することで、建築雑誌で見るような素敵な間取りを実現できるでしょう。

 

材料強度計算・金物使用・構造計算により安心感がある

木造建築では設計時に構造計算を必要としません。(木造2階建ては構造計算しなくて良いという法律がある[4号特例])

計算するまでもなく安全であるからなのですが、なかには計算していないことを不安に感じる方もいます。

事実、複雑な形をしたデザイン系住宅などは、安全を無視してデザイン重視している建物ばかりですし、そのほとんどはしっかりと構造計算がされていません。(「構造計画」という言葉もありますが、いずれも審査はありません・・。)

その点、SE工法では材料強度や構造強度を計算しているため、そういった不安を感じることはないでしょう。

さまざまな強度計算を標準で行うというのは、住宅に安心感を得たい方に最適です。

 

梁を主役にした「現し仕上げ」が映える

参照:住友林業

木造建築には、天井にボードやクロスを施さず、あえて梁を見せる「現し仕上げ(表し仕上げ)」という仕上げ工法があります。

木の表情を存分に生かしながら、天窓を備えて明るさを確保するなど、見た目の良さだけではない魅力を兼ね備えています。

SE工法は集成材を使用するため表面が滑らかで、材料の規格も大きいため現し仕上げの見た目がとても良くなるのもポイントです。

 

SE工法で家を建てる3つのデメリット

建築費用が高くなる

SE工法最大のデメリットが建築費用の増加です。

各種計算や金物が増えること、さらに材料の加工・輸送のコストも多めにかかるため、上述したように在来軸組工法より5万円~/坪ほど高額になります。

建築費用を出来るだけ安くしたいという方には、SE工法は適していないでしょう。

ただし、大手ハウスメーカーではSE工法を基本とした建築技法を採用している会社が多いため、他社と比較するという点では建築費用の比較はできないかもしれません。

 

比較的新しい工法のため実績が少ない

SE工法は比較的新しい工法で、建築の実績や歴史が多くありません。

日本の木造建築を支えてきた在来軸組工法、世界的にスタンダードなツーバイフォー工法に比べると、SE工法は歴史・実績ともに少ないです。

「新工法」といえば聞こえは良いものの、何十年と長期的に住んだモデルケースが無いというのはひとつの不安要素でしょう。

各社ハウスメーカーも常に新しい技術へと進化を続けています。

 

耐震性が特別優れているとまではいかない

各種計算によって安全性は実証されているものの、耐震性が圧倒的に優れているワケではありません。

在来軸組工法やツーバイフォー工法でも十分な耐震性があるので、特段SE工法だけが自信に強いとは言い切れません。

またそもそもSE工法で行う構造計算は「強い地震に耐えるため」でなく、「地震に耐えつつ大きい空間を取るため」に行います。

そうした点からも、SE工法のみ耐震性が大きく秀でているとは言い切れないのが事実です。

 

別の名称を使っているハウスメーカーもある!

大手ハウスメーカーはSE工法の名称を分けており、それぞれが独自の規格で商品展開しています。

大手ハウスメーカー9社のSE工法の名称を、以下一覧表で紹介します。

 

大手ハウスメーカーのSE工法名称一覧表

SE工法は赤字で表記しています。

ハウスメーカー在来工法2×4工法鉄骨
積水ハウスシャーウッド工法ダイナミックフレーム・システム
ヘーベルハウス重鉄・システムラーメン構造
三井ホームプレミアム・モノコック構法
住友林業ビッグフレーム構法
ダイワハウスグランウッド構法xevo(ジーヴォ)
ミサワホームMJ WoodセンチュリーモノコックHYBRID
パナソニックホームズテクノストラクチャー工法パワテック
セキスイハイムグランツーユーボックスラーメン構造
トヨタホームMOKUAパワースケルトン

これらSE工法と同様の技術を採用している条件として、以下の3つを基準にカテゴリ分けしてみました。

  • 構造計算を行っている
  • 強度を確認した材料を使う
  • 接合部に金物を使う

この条件を元に、各社それぞれ独自の仕様を開発しているのが現状です。

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【まとめ】施工可能な工務店・ハウスメーカーを比較しよう

SE工法は比較的新しい工法であるため、中小規模の工務店ではまだ対応していないところもあります。

注文住宅にSE工法を採用したいなら、SE工法に対応している工務店やハウスメーカーに相談するのがベターです。

また、SE工法に慣れている会社であれば、金物の施工や材料の取り扱いもスムーズなため完成する住宅は高い品質が見込めます。

家の躯体は途中で変更することができないので、事前にしっかりと検討しておくことが大切です。

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